てんかんという言葉を聞くと、不安を感じる方も少なくありません。しかし、てんかんは決して珍しい病気ではなく、約100人に1人が持つといわれ、赤ちゃんから高齢の方まで、すべての年齢で発症します。適切な診断と治療によって、多くの方が日常生活を問題なく送ることができます。
脳は、電気信号のやり取りによって働いています。てんかんは、この脳の電気的な活動が一時的に過剰になることで、「発作」が起こる状態をいいます。発作は通常、数十秒から数分でおさまりますが、これを繰り返す場合に「てんかん」と診断されます。
症状の現れ方は人によってさまざまですが、「その人ごとに同じパターンの症状を繰り返すこと」と、「短時間でおさまること」が発作の特徴です。
治療の中心はお薬による治療です。発作の種類や年齢、体質、生活状況に合わせて、適切な薬を選び、調整していきます。治療は長く続くこともありますが、学業・仕事・結婚・妊娠・自動車運転など、人生の段階に応じて目標を一緒に考えながら、無理のない治療を行います。必要に応じて専門医療機関へのご紹介も可能です。
近年、高齢になってから発症するてんかんが増えています。特に70代以降の新規の発症率は子供を超えるとも言われており、従来の「てんかんは子供の病気」というイメージは大きく変わりつつあります。
高齢者のてんかんは
といった特徴があり、
見落とされてしまうこともあります。
しかし、適切に診断し治療を行うことで、物忘れなどの症状が改善するケースも少なくありません。「最近反応が鈍い」「急にぼーっとすることがある」など、気になることがあればご相談ください。
てんかんの患者さんの多くは、てんかん発作だけでなく、「落ち込みやすい・イライラしやすい・不安を感じやすい」などの心の不調や、「物忘れや言葉が出ない・注意力が散漫になる」などの脳機能障害(認知機能障害)を併発しやすいことが知られています。これらの症状はてんかん発作の治療を行うことで改善させることが出来ることもあります。
一方で、てんかん発作の治療薬の副作用としてこれらの症状が出現することもあるため、てんかん発作のみならず、これらの併発症状についても同時にケアする包括的な治療が必要です。
当院は【精神科てんかん専門医】として、このような併発症状の治療は最も得意とするとするところですので、お悩みの方はぜひ受診の上ご相談ください。
てんかんとともに、安心して暮らせる毎日を一緒に作っていきましょう。
てんかんは、適切な治療と理解ある環境によって、安心して暮らすことができる病気です。ご本人だけでなく、ご家族や身近な人の理解と支えも大きな力になります。当院では、ご家族への説明や生活面でのサポートも行っていますので、不安なことがあればお気軽にご相談ください。